「発酵?」 「腐敗?」 「熟成?」
 
何となく分かるけれど、説明が難しい言葉ですよね。
発酵と腐敗はどちらも微生物が係わってきます。熟成は時間と空間がキーワードです。

<発酵>とは
酵母菌(イースト)や乳酸菌が活躍し、糖分などを分解し、有機酸、炭酸ガス等を生じる作用です。

<腐敗>とは
主に有機物、特にタンパク質が細菌(バクテリア)によって分解され有毒な物質と悪臭を生じる変化です。

<熟成>とは
様々な外的環境(温度、湿度、時間、空間等)により仕込んだものがさらに旨味を増し使える(飲める、食べる、<藍染め等の天然の染料も熟成が必要>等)状態になることを指します。

ですから、俗に言う「納豆は腐った食べ物」というのは間違いです。また、腐ったお酒というのも最近の醸造技術により少なくなりましたが、昔は、腐造(ふぞう)との戦いで、蔵の醸造責任者である杜氏(とうじ)は腐造になると自らの命を絶ったということも聞きます。

酒蔵は、農家からその年のお米を現金で一括購入し、それを製品として販売するには1年以上の長い期間を必要としますので、杜氏の心情も並大抵ではないと思います。
腐造は、先に述べた目に見えない細菌(バクテリア)の異常発生によるものなので、タンク1本のみダメになるのではなく、蔵の全部のタンクが既に危険である可能性が高いのです。

現在は、腐造に関する救済方法もあるので昔のようなことは少なくなりましたが、微生物に託す酒をはじめとする発酵と醸造の仕事は危険と背中合わせなのです。
 
  

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