従来、蔵には女性は入ることが許されませんでした。しかし、面白いことに酒造りの神様、松尾様というのは実は、女の神様です。一説によると、女同士で嫉妬するからだろうという説もありますが、女の神様が見守ってくれているからこそ、男達は厳しくつらい蔵仕事を一冬にわたり続けられたのだろうと思います。現代でもそうですが、男の成功の影には必ず女性が支えてくれているものです。
時代も変わり、女人禁制と言う言葉も酒造りの中から消えようとしています。蔵元や蔵人、または杜氏といった役職を持つ女性隆盛の時代到来のような気がします。女性は男性に比べて癒しの効果が高く、育むという点に置いても優れています。また「酒を醸す」という言葉も「処女の女性が口の中で穀物を噛み酒にしていた」事から生まれたとも言います。
やはり、微生物との接し方次第で良くも悪くもなる発酵醸造業というのは、女性ならではの感性と資質が本来必要なのかもしれません。 |