酒造好適米の有名なものとしては、山田錦 雄町 五百万石 美山錦などが有名ですがこうした酒米を使って造られる日本酒は全体の15%程です。特に山田錦や雄町は栽培が難しく限られた地域でしか栽培されていないので、造り酒屋から見ればのどから手が出るほど欲しい米なのす。
これらの酒造好適米は私たちの食べている飯米に比べ、大粒で背が高く百姓泣かせの難しい米です。それは、何もしなければ(田の栄養状態が良い場合)稲の背丈は170cm迄伸びてしまい農薬や化学肥料を使わないで、倒さないようにするのが一番の苦労です。コシヒカリやササニシキも倒伏性の高い稲ですが、それでも背丈は120cm〜130cmです。そういう稲が台風や長雨で稲が倒れるとどうなるか・・・・・。
収穫間近の大粒の米は発芽してしまいます。人間の背丈程ある酒米は倒れないようにするにはどうするか。それには、大粒の米の重さに負けないしっかりとした茎を造るのです。そのために、まず土を造ります。苗の植え方から水の管理までしっかりやります。収穫量を増やすため、株間を狭く茎を増やしても倒伏します。過保護に育てると茎が細くなり倒伏します。人間を育てるのと同じようにしつけをします。
倒伏軽減剤なるクスリがなかったはるか昔からこうした工夫を重ねながら造られていた酒造好適米は、有機栽培の賜です。
自然酒の蔵元は酒造りは米作りから始まると云います。 |