糧っていったい・・・?
 
「日本のを潰すにゃ刃物はいらず、麦と大豆を売らなきゃいい!」という言葉を聞いたことがあります。
輸入に頼る我が国で、日本人の生活を覗いてみればほとんど全て外国の衣・食・住によって生かされていることに驚かされます。

大豆や麦の加工食品は日本の伝統食文化そのものです。
大豆は、油・味噌・醤油・豆腐・おから・納豆・油揚げ・枝豆・きなこ・その他多数の原料であり、麦と言えばうどんを筆頭とした麺類・味噌・お菓子類・焼酎・ビールなど数え上がればキリがありません。

「そうは問屋が卸さない」などと外国に言われ、麦や大豆をストップされたら、自給率の極めて低いこの国は生きられないのです。

かといって言われるがままに買わされている食品の安全性も農薬の問題・遺伝子操作、組み替えの問題も保証されていない、あるいは消費者まで本当の情報が届かないと言う極めて曖昧で不自然なのが現状です。

外国から買い付けた安い原料で大量生産されたものを1円でも安く売る、その生産・流通・消費の構造の裏側に潜む大きなものが実は、日本の自給率や農産物、田や畑と言った土壌に対する感覚までも低下させてしまう一つの原因であるように感じてしまいます。

以前、こんな話を聞いたことがあります。
専業で農家を営むことが難しくなったため会社勤めを余儀なくされ、休みの日に田圃で仕事をする。自分の家族の糧を賄うための仕事です。しかし、最近の一番の苦労はコンビニの袋に詰められたゴミや、空き缶の処理だそうです。田圃と田圃の間に舗装道路が出来たと同時に増えたそうです。
この時期、田植えに備え、水を張った田圃の中程に新しいゴミが浮いている光景を見ると心が痛みます。

ガキの頃、田圃に入り魚やカエル、ザリガニなどを捕まえていると、必ず百姓に叱られた。しかし、その中でいろいろ学んだ。水を入れるとこんな種類の魚がたくさん入ってくるとか、水を抜いて3日程経つとドジョウや鰻がここに集まる・・・台風の後は、大人も網を持って田圃や用水に集まってきた。

田圃が減り、用水がその役割をしなくなるといつの間にか護岸され水は濁り魚がいなくなり、ごみためとなった。台風が来れば鉄砲水となり危険で近づけない。子供が流されないようにと蓋を被せると死んだ水は異臭を放つ。

米を育んでいたこの環境もたった25年でこんなにも変わってしまった。
主食が変わると全てが変わる!

糧とは、いったいなんだろう?・・・
 
  

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