調味料は調身糧
 
当店で考案した造語です。

日本の伝統調味料を見直す(味噌 醤油 酢 塩 砂糖 油 味醂 料理酒等)

 酒蔵、味噌蔵、醤油蔵を訪ねると、古い蔵の何とも言えない気持ちよさと、どこかとても懐かしい空気に包み込まれます。それは、家庭の台所が土間だった時代の記憶が蘇るからでしょうか。そこは発酵醸造食品を中心とした毎日の食卓には欠かせないものが置いてある貴重な場所でした。漬け物 梅干し 味噌 醤油酢 酒 みりん 薬味酒 砂糖 塩 油 といったような材料が、樽や瓶(かめ)酒瓶、に入れられていて当たり前のように常温で保存されていたものです。各家庭で味噌を仕込み、醤油をしぼり、それぞれに工夫されて独特の味わいを産み出し「家の味」というものを大切にしていたものです。

 通気が良く、ひんやりとした気持ちのいい空間でゆっくりと時間を重ね美味しく熟成していました。まさしく小さな「仕込蔵」です。

 現在の日本の台所は、微生物と共に発酵醸造食品を醸し育む「蔵」という要素がなくなり、単に料理を作る為だけの清潔な「部屋」になってしまいました。こうした現代の食生活において、安心で安全な発酵醸造食品を食べることが少なくなった日本人は、体内の微生物バランスが崩れ、免疫力も低下して様々な病気にかかりやすくなってしまいました。日本人は、古来からある伝統的な発酵醸造食品から有効な微生物を体内に取り込み、自然とおなかの中のバランスを保っていました。毎日欠かさず、みそ汁をはじめ、そうした日本の伝統食を食べることで、欧米人より小さいけれど骨太のしっかりした骨格を形成していました。

 年単位という莫大な時間を必要とする天然熟成によって得られる諸成分や自然塩等に含まれる有効無機物(ミネラル分)は、身体に必要なものですが、化学物質や食品添加物は身体にとって必要としていないものです。健康を取り戻すためにも、また、丈夫な体をつくる為にも、わずかな量ではありますが毎日必ず体内に入る調味料だけには、こだわりを持って欲しいと願っています。

< 調味料は調身糧 >という言葉の中には、単に<料理>の<味わい>を<調える>という役割の他に 「家族の健康を司る」

つまり、 
<心身> を <調える> <糧となる> という重要な役割があります。

 また、家庭の台所の豊かさを取り戻して欲しい 台所が、仕込み、貯蔵の「蔵」となり微生物との共生の場であって欲しいという願いも込められています。
 
  

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