月の輪酒造店  岩手県紫波町
 

家業スタイルを貫く南部蔵元杜氏。

 創業明治19年、現当主 横沢大造氏は四代目。此処岩手県紫波町は南部杜氏発祥の地です。当然、酒質に対する評価は厳しく、酒造家は競って優れた酒を造っています。横沢氏は、蔵元でありながら杜氏というもっとも厳しい立場に立ち、酒造りと蔵の経営に情熱を傾けています。


 酒米は地元の篤農家としっかり手を組んで、無農薬有機栽培による安全で旨味の強いお米を生産しています。当初は、無農薬でしかも、化学肥料を使わない米造りなどナンセンスだというご意見をたくさん頂いたそうですが、現在は、月の輪酒造店の顔の一つとして有名になりました。お蔵も創業当時からの姿で、今では珍しい「槽(ふね)」と呼ばれる昔ながらの酒造具を3機使い、丁寧にお酒をしぼります。


 横沢氏曰く、お金がないので設備が買えません!と冗談交じりに言っておられましたが、その黒光りした目の奥には、南部杜氏としての自信と誇り、気迫を感じました。設備に頼る酒造りもある反面、こうした昔ながらの米造りから酒造りを全うしている蔵元もいます。
 





横沢氏と共に21世紀へ自然酒を伝えていくのが娘さんの裕子さん。

「夏子の酒」の夏子のような気丈で美しいお嬢様は、父である蔵元杜氏と酒造りに励んでいます。
 
当店の人気商品「南部和蔵」は、あくまでも、家業スタイルを追求した横沢大造蔵元杜氏の情熱と豊かな自然環境の中で産まれます。
 
 
 
現在では、ほとんど使われなくなった酒造用具。お酒をしぼる「ふね」と呼ばれる機械。布製の袋(酒袋)にもろみを詰めて上から圧力をかけてしぼります。圧力をかけずにしたたり落ちるお酒を「あらばしり」といって新鮮爽やかなうえ、雑味が少ない貴重な酒。中央の木製の「ふね」が1号機。奥が2号機。手前が3号機。1号機でしぼったものを2号機へ。そして3号機へ。手間のかかる行程。

南部和蔵 うすにごり生は、完全濾過をしていないため、薄く濁っています。酵母菌の生きた自然酒。
さっぱりしながらも自然米のこくと旨みは絶品。
 
 


釜場。酒米を蒸す場所です。
伝統的な米を蒸す甑(こしき)と和釜。
洗浄が何より大切。


これは、仕込みタンク。下方の白いものは、もろみの保温等の温度調節のために巻きます。
 
お酒の貯蔵タンク。  
無農薬自然米のもろみ。 入り口では、大樽がお出迎え。

  

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