新屋酒造  鹿児島県出水市
 

 
● 昔ながらの手造りが生命力溢れるいも焼酎とむぎ焼酎を造り出す ●
 

 
出水市は記憶に新しい土石流の大被害を受けた場所で、山の斜面が大きく削り取られ、自然の力を痛感しました。 


         被害にあわれ、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。


 ここ新屋酒造さんでは、明治35年の創業以来伝統的製法を守りながら今でも原料にこだわり、手造りで生命力の溢れるいも焼酎とむぎ焼酎を造っています。
手造り焼酎の蔵は量産工場とは別棟に設けられていました。カメ仕込みという仕込み方法をとっているので、地中に大きなカメがたくさん埋め込まれていました。


このカメは明治35年に職人により焼かれた物をそのまま使い、形がそれぞれ微妙に違います。そのカメに仕込まれるもろみは、微生物の生育環境が大変良いため、香味旨味豊かな焼酎を造り出してくれます。
 
特に、いも焼酎の場合、地面の下で産まれるいもにとっては、地上より地下での熟成の方がはるかに出来が良いようです。
 
ここ鹿児島では、お酒というと焼酎のことを言います。結婚式や選挙の当選祝い等に使われる樽の鏡割り、その他お祝い事や神様に供える御神酒にも焼酎を使います。日本酒(清酒)はあまり飲まないそうです。


醤油や味噌もこちらの物と比較するとかなり甘い物を使う為、料理の味付けも全体的に甘く味付けされていています。ほのかな甘みと独特の香りの、いも焼酎や麦焼酎と、郷土料理の相性は抜群でした。その土地に根付く伝統文化というものを舌で体験できました。
 
原料のいもや、麦を蒸す釜場。
伝統的な杉樽を使います。
瓶に入ったもろみを、手造りの櫂棒でかき混
ぜる蔵人さん。
おじゃましたこの日は、カメの中は空でした。
 
麹室(こうじむろ)

大切な麹菌を育てる部屋。米麹と麦麹を造ります。いも焼酎の場合は、米麹と焼酎用自然農法産のさつまいもが原料。麦焼酎の場合は、麦麹と自然農法産の大麦が原料となります。

蒸留機(常圧蒸留)

かめで生育されたもろみをこの昔ながらの蒸留機に入れて、下から熱します。
常圧蒸留の場合は、豊かな風味、こくを生み出します。
減圧蒸留の場合は、現在流行のライトタイプの焼酎に仕上がります。

原料の風味を生かした美味しい焼酎はこの昔ながらの常圧蒸留機から産まれます。

 

冷却機

このパイプの中に気体の蒸留されたアルコールが通ります。周りに水を入れて冷やし、液体のアルコール(焼酎)に変換します。

 
冷却されたアルコール、すなわち、焼酎の原酒を所蔵するタンク

  

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