橘倉商店  長野県南佐久郡臼田町
 
 

 
2月25日 26日に自然酒の蔵元 橘倉商店のお蔵を訪ねてきました。


 北に雄大な浅間山、南に険しい峰を頂く八ヶ岳を仰ぎ、悠久の流れを育む千曲川が縦貫する美しい自然に囲まれた標高700メートルの高原の地、信州佐久。



 ここ橘倉商店は、創業元禄年間(1688〜1703年)と伝えられ、300年以上の歴史を持つお蔵です。江戸時代に幕府から酒株という免許を受け文化・文政年間には千石の生産量を誇ったとのことです。
 
 米造りにも力を注ぎ、町ぐるみで有機農業に取り組んでいる臼田農協で契約栽培された「ナガノホマレ」という米を使い自然酒が醸されています。


有機農業の町 臼田

臼田町は佐久総合病院を経営し農村医学研究家として農薬の害を世に説いてきた若槻俊一医院長を核として、農協と町が協力して有機栽培による米作りに取り組んできたことで知られています。

 以前は、農薬散布により田んぼに生息していたコブナやタニシ等の小動物が死滅してしまい土はおろか、米の生命力までも低下してしまいました。生命力のある土作りから米作りをもう一度見直していこうと頑張っています。


 佐久といえば「佐久鯉」で有名な地域です。中でも徹底的に無農薬有機農業に情熱を掛けている農家は、田に鯉や鮒(フナ)を入れて米作りをしています。田んぼの雑草を食べ、ふんを出し、泳ぎ回ることによって酸素を取り込み、生きた水にしてくれます。
 
 
 
< 蔵はもうすぐ 甑倒し >


3月に入ると、酒造りもようやく終盤に入ってきます。やがて酒蔵では「甑倒し」が行われます。「甑」というのは、蒸し器のことで大きな釜の上に木製の甑をのせて酒米を蒸します。今年仕込む最後の蒸米を終えた後、甑を倒して洗います。これを「甑倒し」といって、酒造りの一つの節目です。


 2月25日の橘倉商店は、既に仕込みも終わり(甑倒しは終わりました)残すところ大型タンク5本のもろみが上槽(じょうそう・・・もろみをしぼり日本酒と酒粕に分ける工程)を待つばかりとなっていました。もろみは盛んに泡立ってフルーティーな香りを炭酸ガスと共に放ち、あと数日で発酵を完了したタンクから順番に上槽します。
 
上槽(じょうそう)・・・しぼりは間近。
 
藪田式と呼ばれるもろみを絞る機械。酒粕と原酒に分かれます。
 
「今年も良い米が出来たので良い酒に仕上がるようだ」長年酒造りの音頭をとってきた杜氏(酒造りにおける最高責任者)伊巻靖雄さんは言う。



今日までに三百を優に超えて受け継がれてきた一冬一冬の熱き想いと一徹な生業

 人・自然・歴史を大切に 今も変わらぬ橘倉の想い


臼田産無農薬有機米醸造 菊秀純米酒 
日本酒本来の姿を追求した純米酒です


「菊秀」とは橘倉商店の上級酒に代々つけられてきた名称だそうです。
 
麹室
 

酒蔵橘倉のそば焼酎

市場に出回っているそば焼酎のほとんどが原料全体に対するそばの割合が三割程度のものばかりでした。信州の名産そばを100%使った贅沢なそば焼酎を造っています。独特のこくは、そば100%ならではの味わいです。

信州そば焼酎 峠オールド 35度

蔵元に教えてもらった
《そば焼酎の美味しい飲み方》

● そば湯(生そばの茹汁)割り
● そば湯氷(そば湯を冷凍した氷)のオンザロック

小諸の老舗のお蕎麦屋さんで試してみました。風味豊かで美味しい飲み方です。

蔵に併設するお店。昔、使用していた酒造道具なども展示されていておもしろい。

  

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