鹿北製油 鹿児島県菱刈町 
 

 
● 原料を無農薬有機農法の契約栽培 全国で唯一の黒ごまの製油所 ●
 




鹿北製油のある伊佐地方は一日の寒暖の差が大きく農産物が美味しいことで有名です。冬の朝はマイナス10度まで冷え込むことがあるため、鹿児島の北海道と呼ばれ社名の由来となっています。 原料の調達法は、できるだけ身近で無農薬有機栽培の原料を確保するため直営農場を持っています。


工場では、薪を炊き大きな窯で黒ごまを煎り、煎った黒ごまをすりつぶして、明治5年製の玉しぼり機を使い、石臼玉締め法という技法を用いて黒ごまの油がしぼられます。
 
全国で唯一原料から吟味して黒ごま油をしぼっている鹿北製油の社長、和田久輝さん(35)は、現在250件以上の契約農家を、天災時を考慮して県内外に数カ所分散して持っておられます。


黒ごまの畑に案内されると、そこには80歳になる現役の百姓が満面の笑みを浮かべて迎え入れて下さいました。本来は自家用米の水田なのですが、政府の命令で米が作れず米を買うために転作をして黒ごまを栽培しているとのことです。


しかし今では、無農薬有機栽培で作られた黒ごまの油が全国の食卓にのぼり、人々の健康を担っているという自信とプライドが優しい笑顔から伺えました。
 
      
胡麻畑で。詳しい説明をする和田社長。 80歳の現役。福永栄吉さん。
 
和田さんは、「あくまでメーカー主導ではなく、農家主導でいきたい」と語っておられるように、契約農家を一同に集めて「ごま伝承まつり」を夏場に開催して、自然農法のごま栽培に関する研究体験発表や農場視察を行ったり、ごまの裏作としてタカナ、ソバ゙、ナタネ、アワ、キビ゙、カボチャ、サツマイモ等も栽培してもらい、自社の流通で消費者や焼酎蔵に販売しておられます。





「天然の黒い物というのはとても生命力が強く体にもいいんです。」

と言っておられました。ごまの他にも自然農法で赤ごめ、黒ごめの古代米の栽培も手掛けており小さな精油所の大きな試みが着実に実を結んでいます。





黒米を手にする和田社長。
 
薪の釜戸で焦がさぬようゆっくり黒ゴマを炒ります。
 
炒った黒ゴマをすりつぶし粉に近い状態にします。
 
明治5年製の玉搾り機を使いじっくりしぼります。この油を、手漉き和紙でゆっくり濾過した後、瓶詰めして出荷されます。
 
 
 これは、練り胡麻の機械。
 
工場の様子。右下の山になっているのが、黒ゴマ油のしぼりかす。

  

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