林農園    五一わいん   長野県塩尻市桔梗ヶ原
 

林 農園
1919年(大正8年)創業。

2万坪、7ヘクタールの自家農園を持つ老舗ワイナリーです。

 現在では大手メーカーの参入により珍しくなくなった無添加ワインも、本家本元は此処、林農園だそうです。20年前に近所の奥様から、ワインを飲むと頭が痛くなるのは何故かという疑問を頂き、無添加の五一わいんの醸造に踏み切ったそうです。当時としては、酸化防止剤無添加というのはワイン業界においてナンセンスとさえ言われ異端児扱いされました。口コミで広がっては行きましたが協会の理事長という立場上、製造を止めました。ちょうどその時、ワインへの異物混入の事件で騒がれていた頃、苦し紛れの妙案として無添加ワインを復活させ現在に至ります。
 
現在では、地ワイン(9割以上の原料葡萄を地元で調達している・・・個人的な私の解釈です)の老舗蔵五一わい両蔵元は、全国でも長野県を代表するワインや、無添加ワインのリーダー的存在になっています。
 
 
葡萄栽培にも情熱を傾けています。30年前から草生栽培といって除草剤は一切使っていません。柔らかい草が地面を覆っています。土も軟らかくミミズなどの小動物の楽園です。

林 幹雄 社長は、収量より質であると自信に満ちた笑顔で語っておられました。来年は、2万坪の葡萄農園をたった2人で管理するために「X仕立て」から「スマート仕立て」に葡萄の枝を改良していく方針です。

「X仕立て」とは従来の栽培方法で、枝がX字型に交差していきます。これでは、葉が多い茂ったときに光が当たらず果実に影響を及ぼす上、枝の剪定の時にはベテランでなくては見分けが付かないと言う状態になってしまうそうです。

一方、「スマート仕立て」は、北に向かって枝を誘導し、南方向には枝を伸ばさない方法です。ここでは、南からの風が強いのでこの様にします。フランスの技術者から指導を受け現在、移行中です。「うまくいくかどうか分からないけど、やってみよう!」というチャレンジ精神旺盛な社長です。
 
柔らかい下草で覆われた広大な自家農園。
 
林農園では、全生産量の40%強を無添加で醸造しています。メルシャンのメルローが世界ワインコンテストで金賞を受賞したことから桔梗ヶ原では、赤ワイン原料のコンコード種の他に、メルロー種の栽培も盛んに行われるようになり、現在ではこの地に根付いています。
 
メルロー シャルドネ


五一わいんという名前も創業者の林 五一さんの名前から取ったものです。

当時は51Wine(Fifty One Wine)という横文字的な読み方でしたが、いっそうのこと、日本的にしてしまえと言うことで、結果的に目立ってしまったそうです。人と違うことをするというポリシーをお持ちの社長ならでは・・・という感じです。

ワインの評価も大切ですが、栽培と醸造というプロセスを大切にしています。
 


仕込みタンク。この中でワインが発酵中です。 瓶詰めライン
 
冷蔵貯蔵室。低温でゆっくり熟成させます。 樽貯蔵庫。年々少しずつ目減りするワインを
足していく作業は大変。
 
樽貯蔵されたワインが眠る、地下貯蔵庫。

 

これは、貴腐菌がついた貴腐葡萄。
糖度をしっかり蓄えたこの葡萄から、甘口でフルーティーの
デザートワインが醸造されます。
ポット栽培のカベルネソーヴィニヨン
 

  

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